東北大学を卒業して仙台を離れる学生や、住み替えのために賃貸物件を退去する方の中には、
「退去立会いには必ず参加しなければならないの?」
「当日はどこを確認される?」
「その場で修繕費を支払うことになる?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
退去立会いは、荷物を搬出した後の室内を管理会社や貸主と確認し、傷や汚れ、設備の状態などを記録する手続きです。
ただし、退去立会いを行ったからといって、その場ですべての原状回復費用が確定するとは限りません。また、物件によっては立会いを行わず、鍵の返却だけで退去手続きが完了することもあります。
この記事では、東北大学生が賃貸物件を退去するときの立会いについて、必要性、事前準備、当日の流れ、確認したいポイントを分かりやすく解説します。
退去手続き全体の流れについては、次の記事も参考にしてください。
【関連記事:東北大学生の退去手続きはいつから?解約連絡から鍵返却までの流れ】
退去立会いとは
退去立会いとは、賃貸物件から荷物を搬出した後、管理会社や貸主などの担当者と一緒に室内の状態を確認する手続きです。
主に次のような箇所を確認します。
- 壁紙や床の傷
- 建具や扉の破損
- キッチン、浴室、トイレなどの汚れ
- エアコンや給湯器などの設備
- 入居中に修理した箇所
- 室内やベランダに残された荷物
- 鍵や貸与品の返却状況
退去立会いの目的は、室内にどのような傷や汚れがあるのかを、貸主側と借主側で確認することです。
傷や汚れが見つかった場合でも、すべてが入居者負担になるわけではありません。
通常の生活で生じた損耗や、時間の経過による劣化は、原則として貸主負担と考えられます。一方、入居者の故意・過失、手入れ不足、通常の使用を超える使い方によって発生した損傷は、入居者負担となる可能性があります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、原状回復は入居時の状態へ完全に戻すことではなく、入居者の故意・過失や善管注意義務違反などによる損傷を復旧するものと整理されています。
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
ポイント
退去立会いは、傷や汚れの有無を確認する場です。原状回復費用の負担を、その場ですべて決定する場とは限りません。
退去立会いは必ず必要なのか
退去立会いは、すべての賃貸物件で必ず行われるものではありません。
退去立会いを行うかどうかは、賃貸借契約書の内容や管理会社の運用によって異なります。
物件によっては、次のような対応となることがあります。
- 管理会社の担当者と現地で立会う
- 貸主と直接立会う
- 立会いを行わず、管理会社が退去後に確認する
- 指定された場所へ鍵を返却する
- 鍵返却ボックスや郵送を利用する
退去立会いが必要と案内された場合は、原則として指定された方法に従いましょう。
本人の予定が合わない場合は、保護者による代理立会いや、別の日時への変更ができるか管理会社へ相談してください。
一方、立会いがないからといって、原状回復費用が発生しないわけではありません。退去後に管理会社が室内を確認し、後日、修繕費用の見積書や精算書が送られることがあります。
立会いの有無にかかわらず、荷物を搬出した後の室内を自分でも撮影しておくことが大切です。

退去立会いまでに準備すること
退去立会いをスムーズに進めるためには、当日までに室内を空にし、必要な書類や鍵をそろえておく必要があります。
荷物をすべて搬出する
退去立会いまでに、家具、家電、生活用品、ごみなどをすべて搬出します。
荷物が残っていると、その下や裏側にある床・壁の状態を確認できません。
次の場所は忘れ物が発生しやすいため、特に注意しましょう。
- クローゼットや押し入れの上段
- キッチンの吊戸棚
- 洗面台の収納
- シューズボックス
- ベランダ
- 郵便受け
- 自転車置き場
- 物置やトランクルーム
自転車を駐輪場に残したまま退去すると、放置自転車として処分され、費用を請求される可能性があります。登録シールがある場合は、管理会社の指示に従ってください。
粗大ごみや不要な家具も、退去日までに処分する必要があります。
3月は粗大ごみの収集や引越し業者が混み合うため、卒業に伴って退去する場合は早めに準備しましょう。
室内を無理のない範囲で清掃する
退去立会いの前に、日常的な清掃で落とせる汚れを取り除きます。
主に清掃しておきたい場所は次のとおりです。
- 床のほこりやごみ
- キッチンの油汚れ
- 浴室や洗面台の水あか
- トイレの汚れ
- 排水口の髪の毛やごみ
- 窓やサッシの結露汚れ
- 冷蔵庫や洗濯機を置いていた場所
- ベランダのごみ
新品同様にする必要はありませんが、清掃不足による汚れと、通常の生活で生じた損耗を区別しやすくするためにも、無理のない範囲で掃除しておきましょう。
ただし、壁紙の変色や設備の傷を隠そうとして、市販の塗料や補修材を自己判断で使用するのはおすすめできません。
補修方法が適切でなければ、かえって傷や汚れが目立ち、修繕範囲が広がる可能性があります。
自分で直せるか判断できない場合は、そのままの状態で立会い時に説明しましょう。
【関連記事:賃貸の善管注意義務とは?学生が退去費用を請求されやすいケースを解説】
入居時の写真や書類を準備する
入居時に撮影した写真や、管理会社へ提出した入居時チェックシートが残っている場合は、退去立会いに持参できるよう準備します。
確認したい資料は次のとおりです。
- 入居時に撮影した室内写真
- 入居時チェックシート
- 賃貸借契約書
- 重要事項説明書
- 入居中の修理記録
- 管理会社とのメールや連絡履歴
- 退去前に撮影した室内写真
入居時からあった傷や汚れを指摘された場合は、写真やチェックシートを使って説明できます。
入居中に水漏れや設備故障があり、管理会社へ報告していた場合は、修理時のメールや写真も残しておきましょう。
国土交通省も、原状回復トラブルを防ぐためには、入居時と退去時に室内の損耗状況を確認しておくことが有効としています。
鍵や備品をそろえる
退去立会いでは、入居時に貸与された鍵や備品を返却します。
事前に次のものがそろっているか確認してください。
- 玄関の鍵
- 自分で作った合鍵
- オートロックの鍵
- カードキー
- 物置の鍵
- 宅配ボックスのカード
- 駐車場のリモコン
- 設備の取扱説明書
- 管理会社から貸与された備品
鍵を紛失している場合は、立会い当日まで黙っているのではなく、早めに管理会社へ連絡しましょう。
鍵を紛失した場合の費用負担は、鍵の種類や契約内容によって異なります。

退去立会い当日の流れ
退去立会いの所要時間は、部屋の広さや確認箇所によって異なりますが、ワンルームや1Kであれば、一般的には20~40分程度が目安です。
当日は、約束した時間までに荷物の搬出と清掃を終え、室内で担当者を待ちましょう。
管理会社や担当者と室内を確認する
担当者が到着したら、玄関から順番に室内を確認します。
一般的には、次のような場所を見て回ります。
- 玄関や建具
- 居室の壁と床
- クローゼット
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- 洗面台
- エアコンなどの設備
- ベランダ
担当者だけに確認を任せず、可能であれば一緒に室内を回りましょう。
自分が気になっている傷や、入居時からあった汚れがある場合は、その場所で説明します。
傷や汚れの状態を確認する
傷や汚れを指摘された場合は、場所だけでなく、どのような状態なのかを一緒に確認します。
その際は、次の点を整理して伝えましょう。
- 入居時からあったものか
- 通常の生活で生じたものか
- 自分の不注意でつけたものか
- 設備の故障や建物側の原因が考えられるか
- 発見後に管理会社へ報告したか
- 入居時や修理時の写真が残っているか
たとえば、壁紙の日焼けや家具を置いた跡は、通常損耗や経年劣化と考えられる可能性があります。
一方、家具を引きずってできた深い床傷や、結露を長期間放置して広がったカビは、入居者負担となる可能性があります。
傷や汚れがあることだけで判断せず、発生した原因を確認することが大切です。
【関連記事:賃貸の通常損耗とは?学生が負担しなくてよい傷・汚れを具体例で解説】
【関連記事:賃貸の経年劣化とは?通常損耗との違いと入居者負担にならない例を解説】
修繕箇所の説明を受ける
担当者から修繕が必要と考えられる箇所について説明を受けます。
ただし、退去立会いを担当する人が、その場で費用負担を最終決定できるとは限りません。
立会い後に、管理会社や貸主が次の内容を確認してから精算することがあります。
- 賃貸借契約書の特約
- 入居時の室内状況
- 修繕業者の見積もり
- 入居期間
- 設備や内装材の経過年数
- 修繕する範囲
その場で金額を提示された場合も、何の費用なのか、後から正式な見積書や精算書が発行されるのか確認しましょう。
鍵を返却する
室内確認が終わったら、鍵や貸与品を返却します。
返却する鍵の本数を担当者と一緒に確認し、鍵返却に関する書類や受領記録がある場合は、控えを受け取りましょう。
鍵を返した後は、原則として室内へ戻れません。
返却前に、次の点を最終確認してください。
- 室内に忘れ物がないか
- ベランダや収納に荷物が残っていないか
- 郵便受けを確認したか
- 電気・ガス・水道の手続きが終わっているか
- 室内の写真を撮影したか
- 自転車やバイクを搬出したか
退去立会いで確認したいポイント
退去立会いでは、担当者の説明を聞くだけでなく、書類や修繕費用の扱いも確認することが大切です。
その場で内容を理解できない書類に安易に署名しない
退去立会いでは、室内確認書、退去確認書、原状回復確認書などへの署名を求められることがあります。
書類の名称だけで判断せず、何に同意する書類なのかを確認しましょう。
特に確認したいのは次の点です。
- 傷や汚れの存在だけを確認する書類か
- 入居者の費用負担まで認める書類か
- 修繕範囲や金額が記載されているか
- 後日変更される可能性があるか
- 書類の控えを受け取れるか
傷や汚れがあることを確認する署名と、その修繕費用を全額負担することへの同意は同じではありません。
内容を理解できない場合や、説明に納得できない場合は、その場で質問しましょう。すぐに判断できないときは、持ち帰って確認できるか相談してください。
注意点
署名をすべて拒否する必要はありません。書類の目的と内容を確認し、事実と異なる記載がある場合は訂正を求めることが大切です。

傷や汚れの原因を正確に伝える
傷や汚れを指摘されたときは、自分に責任があるかどうかだけでなく、分かる範囲で発生原因を伝えましょう。
入居時からあった傷であれば、写真やチェックシートを提示します。
設備の不具合や水漏れが原因の場合は、管理会社へ報告した日や修理履歴を説明してください。
反対に、自分の不注意による傷であることが明らかな場合も、事実と異なる説明をするのは避けましょう。
原因を正確に共有することで、通常損耗、経年劣化、入居者の故意・過失を区別しやすくなります。
修繕費の内訳を確認する
退去立会いで修繕費用を提示された場合は、合計金額だけでなく内訳を確認します。
確認したい内容は次のとおりです。
- 修繕する場所
- 入居者負担とする理由
- 修繕範囲
- 数量と単価
- 材料費と作業費
- 経過年数が考慮されているか
- 契約書のどの特約に基づく費用か
入居者に故意・過失があった場合でも、常に新品への交換費用を全額負担するわけではありません。
国土交通省のガイドラインでは、入居者負担を考える際に、建物や設備の経過年数を考慮し、年数が長いほど負担割合を減らす考え方が示されています。
また、修繕は損傷した部分に限定し、可能な限り必要最小限の施工単位とする考え方も示されています。
その場で内訳が分からない場合は、後日、見積書や敷金精算書を送ってもらいましょう。
【関連記事:賃貸物件の退去時の敷金精算の考え方とは?】
【関連記事:原状回復ガイドラインとは?学生にも分かりやすく解説】
退去後の連絡先を伝える
退去後に、管理会社から敷金精算書、修繕費用の見積書、返金に関する連絡などが届くことがあります。
次の情報を正確に伝えましょう。
- 新しい住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 敷金の返金先口座
- 連絡がつきやすい時間帯
卒業後に電話番号やメールアドレスが変わる場合は、変更後の連絡先も伝えてください。
保護者の住所を連絡先にする場合は、本人と保護者のどちらへ連絡してほしいのか明確にしておきましょう。
退去立会いがない場合の注意点
退去立会いを行わない場合は、貸主側と借主側が同時に室内の状態を確認できません。
そのため、荷物を搬出して清掃した後、室内の状態を写真や動画で残しておくことが特に重要です。
撮影しておきたい場所は次のとおりです。
- 部屋全体
- 壁紙
- 床
- 建具
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- 洗面台
- エアコンなどの設備
- ベランダ
- 収納内部
傷や汚れがある場合は、部屋のどこにあるか分かる写真と、状態が分かる近距離の写真を両方撮影します。
また、鍵の返却方法と返却期限を確認してください。
郵送で返却する場合は、管理会社の指示に従い、追跡できる方法を利用すると安心です。鍵返却ボックスを利用する場合は、返却日時が分かる写真や完了画面を残しておきましょう。
退去後に精算書が届いたら、請求内容と自分が撮影した室内写真を照らし合わせて確認してください。
退去立会いでよくある質問
Q. 退去立会いにはどのくらい時間がかかりますか?
ワンルームや1Kの場合は、20~40分程度が目安です。
ただし、部屋の状態、設備の数、確認箇所などによって時間は異なります。立会い後に予定を入れる場合は、余裕を持っておきましょう。
Q. 保護者だけで立会いできますか?
管理会社が認めれば、保護者が代理で立会える場合があります。
委任状や本人確認書類が必要になる可能性があるため、事前に確認してください。
Q. 退去立会いで修繕費用は確定しますか?
その場で費用の目安を伝えられることはありますが、必ず確定するとは限りません。
修繕業者の見積もりや契約内容、経過年数を確認した後、正式な精算書が発行されることがあります。
Q. 退去立会いの様子を撮影してもよいですか?
室内の傷や汚れを撮影することは、記録を残すうえで有効です。
ただし、担当者の顔や会話を撮影・録音する場合は、事前に了承を得るのが望ましいでしょう。室内写真をSNSなどへ投稿するのは避けてください。
Q. 立会いに遅れそうな場合はどうすればよいですか?
遅れることが分かった時点で、すぐに管理会社や担当者へ連絡してください。
3月は退去立会いが連続して予定されていることがあり、遅れると当日の立会いができなくなる可能性があります。
Q. 修繕費用に納得できない場合はどうすればよいですか?
まずは、修繕箇所、負担理由、施工範囲、単価、経過年数、契約上の特約を確認します。
その場で結論を出さず、見積書や精算書を書面で受け取り、国土交通省のガイドラインと照らし合わせながら管理会社や貸主と話し合いましょう。
退去後の修繕費と敷金精算も確認しましょう
退去立会いで確認された傷や汚れが、すべて入居者負担になるとは限りません。壁紙や床の状態、入居期間、傷が付いた原因などによって負担の考え方は異なります。後日届く敷金精算書や請求書も、項目と金額を確認しましょう。



まとめ
退去立会いは、荷物を搬出した後の室内を管理会社や貸主と確認し、傷や汚れ、設備の状態、鍵の返却などを確認する手続きです。
すべての賃貸物件で必ず行われるわけではありませんが、立会いが必要と案内された場合は、指定された日時と方法に従いましょう。
退去立会いまでに準備しておきたいことは次のとおりです。
- 室内やベランダの荷物をすべて搬出する
- 日常的な清掃で落とせる汚れを取り除く
- 入居時と退去前の写真を用意する
- 契約書や入居時チェックシートを確認する
- 鍵や貸与品をすべてそろえる
- 退去後の住所や返金先口座を準備する
当日は、傷や汚れの原因、修繕箇所、費用負担の考え方を確認し、内容を理解できない書類へ安易に署名しないことが大切です。
また、退去立会いを行わない場合も、荷物搬出後の室内を写真や動画で記録し、鍵を返却した記録を残しておきましょう。
退去手続き全体のスケジュールについては、次の記事で詳しく解説しています。

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